リハビリログ

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着座を見逃してない?着座の重要性と立ち上がりとの違い

 基本動作に関しての教科書などを見ても立ち上がりに関しては、詳しく書いてあることが多いです。学生の動作分析でも、立ち上がりは観察するけど、着座は分析していない人が多い。実際のリハビリ現場でも立ち上げって、歩行訓練を行い、何気なく座るということは、あるのではないのでしょうか。

 実際、着座も重要な動作であり、日常生活にて立ち上がった場合、座るという動作は合わせて行います。また、勢いよく座ったり、手すりを使用しなければ座れなかったり、後方へ倒れそうになったり、転倒や怪我をする危険性があります。また、着座は、立ち上がりと異なる機能的要素を含んでいるため、立ち上がりと合わせて評価、治療していく必要があります。

 今回は、着座についての動作分析のポイント、立ち上がりとの違いについてまとめました。

 着座、立ち上がりの違い

 立ち上がり、着座の大きな違いは、

立ち上がり  →抗重力運動

着座     →従重力運動

つまり、立ち上がりは重力に負けないように運動する必要があり、着座は重力に従って運動をしています。立ち上がりでは、大きな役割をはたす大殿筋、大腿四頭筋は求心性に働きます。それに対して、従重力運動である着座は、大殿筋、大腿四頭筋は遠心性に働く必要があります。つまり、着座の方が大きな力が必要になってくるのです。

 

立ち上がりの動作分析に関しては下記の記事を参照してください。

fuji-riha.hatenablog.com

 

 もう一つの違いは、

立ち上がり →足関節ストラテジー、体性感覚優位

着座    →股関節ストラテジー、視覚・前庭感覚優位

バランスをとる戦略として、足関節ストラテジーを利用するほうがバランスはよいとされています。また、姿勢制御の際、体性感覚、視覚、前庭感覚の3つの感覚の重みづけとして、体性感覚が優位であるほうがバランスがよいとされています。また、不安定な場面では、股関節ストラテジーや視覚・前庭感覚が優位となって働きます。

これにより、立ち上がりの方が高度なバランス感覚が必要であるといえます。着座は、座る場所や高さがわかりにくいことから、視覚・前庭系に依存する必要があり、姿勢制御としては、不安定な動作ということになります。

 立ち上がりと着座の大きな違い・特徴としては、

 〈立ち上がり〉

高度なバランス感覚が必要な動作

 〈着座〉

立ち上がりより大きな筋出力が必要

立ち上がりと着座を見ることでこのなる情報が得られるため評価としも有用です。

また、どちらにも動作として特徴があるため、バランス訓練として立ち上がり訓練や筋力強化訓練として着座訓練を行うなど治療としても利用可能です。

着座の動作分析ポイント

 では、続いて着座の動作分析をする際のポイントについてまとめます。

まず、着座とは、立位で上方にある重心を下降させながら、前方の支持基底面(足部)から後方の支持基底面(臀部)へと移動する動作である。

 第1相

立位から着座を開始する際にまず、重要なのは、

骨盤の後傾

軽度の下腿の前傾   である。

 骨盤が後傾は、股関節伸展筋群と体幹の伸展筋群の活動が必要です。下腿の前傾は、下腿三頭筋の筋緊張が緩み、前脛骨筋の活動によって起こります。

 骨盤が後傾、下腿が前傾することで膝関節が緩み、屈曲します。それにより、重心を下降しやすくなります。ここで重要であるのは、骨盤と下腿の動きによって膝関節が緩み屈曲することです。決して、膝関節の意識的に屈曲するわけではありません。

 つまり、骨盤の後傾が起こらずに膝関節を屈曲させ、着座した場合ハムストリングスの過活動や股関節伸筋群の弱化による代償的な戦略を利用しているということになります。

 

第2-3相

 第2-3相は、膝関節が緩み重心を下降させてから、座るまでの動作です。

ここで重要なのは、

骨盤の後傾→前傾のコントロール

下腿の安定性           です。

第1相で骨盤を後傾させ、膝関節が緩んだ後すぐに骨盤を前傾させ、重心が後方に行き過ぎないように制御します。骨盤の後傾→前傾のコントロールは、体幹伸筋群・股関節伸筋群・大腿四頭筋の遠心性収縮が重要になってきます。つまり、筋活動としては、大きな活動が必要です。

 下腿の安定性は、臀部がつくまで重心を足部の支持基底面内にて保持するために重要となってきます。ここで重要なのは、前脛骨筋と下腿三頭筋の協調的な筋活動です。これらが協調的に活動することで重心を足部の支持基底面内にとどめることが可能となります。

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まとめ

 今回は、着座動作に着目し、立ち上がりとの違いや動作分析のポイントをまとめました。着座の大きなポイントとしては、従重力活動であり、立ち上がりより筋活動が必要となってくることだと思います。リハビリでも日常生活でも立ち上がりだけでなく、着座動作も必ず行うと思います。

 立ち上がりと合わせて、着座動作にも注目することでより多くの評価や、より効率のより治療が可能となると考えています。

 明日から着座まで見てみてください!

 

今回参考にした本はこちら

 

 

 

最後まで読んて頂きありがとうございます。