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関節のモビリティ、スタビリティって何?Joint by joint theoryについて

 関節には、それぞれ役割があることを知っていますか?関節には、モビリティとスタビリティの2つの役割があり、それぞれの関節で主要な役割を担っています。この役割を果たせなくなると、腰痛や変形性膝関節症(以下:膝OA)などの慢性疾患を患ってしまいます。

 今回は、Joint by joint theoryという理論を用いて、慢性疾患を患ってしまう原因、臨床的なこの理論の用い方について説明していきたいと思います。

 Joint by joint theoryとは?

 Joint by joint theoryは、1990年代にアメリカの理学療法士のGray CookとストレッチングコーチのMichael Boyleの2人によって考えられた理論です。

 では、Joint by joint theoryとは、何か。

 関節にはモビリティ(可動性)スタビリティ(安定性)の2つの機能があり、それぞれの関節でどちらかの主要な機能が備わています。そして、人間の身体は、それらの機能が備わった関節が交互に積み重なっているという理論がJoint by joint theoryです。

以下にそれぞれの関節の機能を図に示しています。

青:モビリティ関節 赤:スタビリティ関節

 

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上記の図を見ても、モビリティ関節とスタビリティ関節が交互に並んでいますね!

 

スタビリティ、モビリティの関係が破綻するとどうなるの?

  では、それぞれの機能が低下するとどうなるのでしょうか?

それぞれの関節が役割を担って身体が構成されているということは、その機能が必要なわけなので機能が低下した部分を他でその機能を補わないといけないということになります。つまり、モビリティ関節の機能が低下するとスタビリティ関節が必要以上に動くことで低下した機能を補う必要があります。また、スタビリティ関節の機能が低下するとモビリティ関節で安定性を補う必要があります。要するに代償動作が起こるということです。

 この代償動作によって、関節に負担がかかり、腰痛や膝OAなどの慢性疾患が発症してしまうということです。

 ここでは、腰痛を例に少し説明していきます。

 まず、ヘルニアなどの特定疾患がない、腰痛が発症する原因は、2つあります。

①腰椎のスタビリティの低下

②胸椎・股関節のモビリティの低下

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①腰椎のスタビリティが低下することで、胸椎・股関節に過剰な安定性が必要となり、モビリティとしての機能が低下してしまいます。そのため、動作を行う際に代償動作として腰椎の過剰な動きが伴ってしまい、腰痛になってしまいます。

②胸椎・股関節のどちらかの可動性が低下してしまうことで、そのモビリティを補うために、代償動作として腰椎が過剰に動きます。それにより、腰痛になってしまいます。

①②ともに腰椎に過剰な可動性が必要となっているという結果によって腰痛を発症します。しかし、①は、腰椎のスタビリティ低下が原因であり、②は、胸椎・股関節のモビリティ低下が原因となっています。つまり、原因が異なるということです。原因となる部分を治療しなければ、症状は改善されないため、どちらが原因かを評価しなければなりません。評価方法は、次の項目にて説明していきます。

 

臨床においての考え方・評価方法

 上記項目で示した腰痛の例のように、結果に対する原因は、症状がみられる部分と隣り合う関節に見られます。なので、症状がみられる部分だけでなく、隣り合う関節の機能の評価は、重要ということですね。

 これまで、それぞれの関節によって主要な機能があると伝えてきましたが、実際は、スタビリティ関節でも可動性は必要ですし、モビリティ関節でも安定性は必要です。例として、体幹の運動の際の腰椎の動きです。腰椎はスタビリティ関節ですが、体幹の運動を行う際、腰椎も動く必要があり、腰椎を動かさず体幹を動かすことは困難です。また、股関節はモビリティ関節ですが、安定性がないとトレンデレンブルグ徴候などの代償動作がみられます。

 なので、この理論における機能のとらえ方としては、

スタビリティ関節の役割とは、その関節の可動範囲内で安定性を保っていられること

モビリティ関節の役割とは、大きな可動性を有した状態で全可動域において力を発揮できること

であると私は考えています。

 では、どちらの機能を優先して、評価、治療していく必要があるでしょうか。

モビリティファースト、スタビリティネクス、つまり、まず可動性を優先して改善し、その後安定性の獲得を図るという考え方があります。なので、まずは、可動域があるのかどうかを評価し、治療してから、安定性の評価、治療の順番に進めていく必要があります。

下記に簡単にこれらの機能の評価の仕方を記します。

〈評価する方法〉

まず、可動性の評価が必要なため、関節可動域(以下:ROM)の測定が必要です。

その後、運動療法を行ってもらい、スタビリティ関節の代償動作なく、モビリティ関節が全可動範囲を動かせるかを評価していきます。ROMに制限がなく、代償動作がみられる場合には、スタビリティ関節の機能が低下していることが考えられます。また、モビリティ関節が全可動域動かせない場合は、モビリティ関節の機能が低下していること考えられます。

(例:ブリッジに動作における、腰椎の前弯の代償が起こった場合の考え方。

骨盤が肩‐膝の直線より下までしか行かずに代償動作がみられる場合は、股関節のモビリティの低下が考えられる。

骨盤が肩‐膝の直線より上まで行き代償動作がみられる場合は、腰椎のスタビリティの低下が考えられる。)

まとめ

 今回は、Joint by joint theoryを用いて、慢性疾患の原因について説明していきました。

この考え方で大事なポイントは、

・関節はスタビリティ、モビリティのどちらかの主要な機能を有している。

・関節の機能の低下により、代償動作が発生し、慢性疾患の発症につながる。

・症状の見られる関節と隣り合う関節の評価が必要である。

・評価、治療する際は、モビリティファースト、スタビリティネクスト。

です。

 症状がみられる部分の治療から少し、目を広げることで、原因が見つかり、症状の改善につながってくると思います。

 

今回参考にした本はこちら

 最後まで読んでいただきありがとうごぜいました。コメントなどお待ちしております。