リハビリログ

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運動するときのフォーム、基準~ニュートラルポジションの重要性~

 より効率の良い動作を行うために、動作には正しいフォーム、基準となる動作があります。野球でのバッティング、サッカーでボールを蹴る動作、歩行も正常歩行があり、それぞれの動作には、フォームがあります。そして、我々理学療法士は、そのフォームを元に動作を分析し、逸脱した点を見つけ、より良いフォームへ改善するために、治療を展開していきます。

 では、臨床で利用する、ブリッジなどの運動療法には、そのようなものは、ないのでしょうか?

 運動療法にもフォーム、基準となる姿勢はあるのです。今回は、運動療法のフォームの基準となるニュートラルポジションについてまとめていきます。

 

 ニュートラルポジションとは?

 では、ニュートラルポジションとは何でしょう?

ニュートラスポジションとは、仰向け、うつ伏せ、四つ這い位など様々な姿勢をとった際、脊柱が生理的な弯曲を保っており、前面の筋群、後面の筋群が協調的に働いている姿勢のことを言います。このニュートラルポジションを維持した状態で運動を行うことで身体の一部のみに負担かかったりせずに、運動することができ、効率の良い動作となります。また、ニュートラルポジションが崩れた場合は、代償動作がみられます。その代償動作によって、短縮筋や弱化筋の予想できたり、運動の負荷を調節することができます。

 このように基準となるニュートラルポジションを知ることで、効率の良い動作、筋バランス、運動の負荷などがわかるということです。

 様々な姿勢によってニュートラルポジションがあるので、ここでは、仰向けと四つ這いのニュートラルポジションと運動療法の例を紹介しいていきましょう!

仰向けのニュートラルポジション

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  • 足と膝の向きをそろえ、坐骨幅(こぶし一個分)に開く
  • 骨盤の前方トライアングル(両ASISと恥骨からなる三角形)が床と平行
  • 第10肋骨とASISが一直線上にある
  • 乳様突起と肩峰が一直線上

 仰向けの運動を行う際は、まずスタートポジションとして上記の4つのポイントが満たされているか確認します。

 特に運動中、注意してみるポイントとしては、膝の向き、ASIS・第10肋骨の位置です。上記の部位の位置が変化しやすいため、代償動作がみられないか確認しながら運動を進めていきます。声かけなどしながら代償動作を修正し、5-8回程度動作ができた場合、適切な負荷であると考えられます。また、声かけなどしなくても代償動作がみられない場合は、負荷は低いため難易度を上げてもよいでしょう。逆に、声かけでも修正が困難であれば、運動の難易度を下げ、負荷量を減らす必要があります。

仰向けの運動療法と代償動作を1つ例として紹介していきます。

テーブルトップ

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 まず、膝関節90°屈曲位で、仰向けのニュートラルポジションを取ります。

その姿勢から片脚ずつ股関節を屈曲させ、股関節、膝関節90°屈曲位の状態で保持します。この状態で、ニュートラルポジションが崩れないか確認します。

【よく見られる代償と原因(代償動作→考えられる原因)】

  • 骨盤の後傾(ASISが下がる)→腸腰筋の弱化、多裂筋の弱化、腹筋群の短縮
  • 腰椎の前弯(ASISが上がる)→腹筋群の弱化
  • 骨盤の回旋        →片側の腹筋群の弱化
  • 股関節の内外旋      →股関節外旋筋群、殿筋群の短縮・弱化

これは、よく見られる代償動作の一部であり、患者個人によってみられる代償動作は異なります。このように、代償動作がわかることで、弱化している筋や短縮している筋を予想することができます。 

四つ這いのニュートラルポジション

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  • 後方トライアングル(両PSISと尾骨からなる三角形)
  • 第10肋骨とASISが一直線上
  • 乳様突起と肩峰が一直線上
  • 股関節と肩関節が90°屈曲位
  • 翼状肩甲がみられない

 四つ這い位においてもまず上記のポイントが満たされる姿勢をとることができるかを確認します。

 四つ這い位で、注意してみるポイントは、頭の位置、肩甲骨の位置、ASIS・第10肋骨の位置です。特に上記の部位の位置が変化しやすく、代償動作がみられやすいため、確認しながら運動を進めていきます。四つ這い位の動作でも声かけなどしながら、代償動作みられずに5-8回動作ができれば、適切な負荷であると考えられます。声かけなしで代償動作がみられなければ、動作の難易度を上げ、逆に声かけでも修正できなければ、難易度を下げる必要があります。

 四つ這い位の運動療法と代償動作を紹介していきます。

スイミング(修正)

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 まず、四つ這い位のニュートラルポジションを取ります。

ニュートラルポジションを保ちながら、片脚を伸ばし、代償動作が出ない範囲で床から持ち上げる。上げた脚と反対の腕を持ち上げて、その姿勢を保持する。この運動を左右交互に行う。上肢・下肢を挙上した状態でもニュートラルポジションが崩れないかを確認しながら行う。

【よく見られる代償と原因(代償動作→考えられる原因)】

  • 腰椎が前弯(ASISが下がる)     →腹筋群の弱化、殿筋群の弱化
  • 翼状肩甲がみられる         →前鋸筋の弱化、小胸筋の短縮
  • 胸椎の屈曲(胸椎の伸展がみられない)→脊柱起立筋の弱化、大胸筋の短縮
  • 頭が下がる             →椎前筋群の弱化、後頭筋群の短縮

四つ這い位においても、これは、よく見られる代償動作の一部であり、患者個人によってみられる代償動作は異なります。このように、代償動作がわかることで、弱化している筋や短縮している筋を予想することができます。また、四つ這い位は、代償動作がみられやすい運動でもあるので、負荷量の調節は常に意識して行う必要があります。

 

まとめ

 今回は、運動療法の基準となるニュートラルポジションについてまとめました。

仰向け、四つ這い位の2つの運動療法での見るべきポイントについて記載しましたが、他にもうつ伏せ、側臥位などたくさんの姿勢での運動療法があります。どの姿勢でも基準となるのが、骨盤の傾き、脊柱の生理的弯曲が保たれていることです。

 基準となる姿勢、フォームを知ることで、代償動作が見れるようになったり、運動の負荷が適切かどうか判断することが可能となったり、筋の弱化・短縮などの評価が可能となります。つまり、一つの運動療法からたくさんの情報が得られるようになります。

 この記事を参考に明日からの臨床での運動療法の参考にしてみてください。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。