リハビリログ

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姿勢を改善するには~4つの不良姿勢の特徴・評価~

 臨床において、立位での評価をする際、まず姿勢から評価する人は多いと思います。静的な立位姿勢は、立位での動作、歩行を行うスタートポジションなので次の動作に影響してきます。そのため、姿勢を評価することは、重要です。また、姿勢を改善することで症状が軽減したり、動作が変化することは、臨床においても多く経験します。

 姿勢を評価・改善するためには、理想的な姿勢と不良姿勢の特徴を知らなければなりません。今回は、理想的な姿勢と4つの不良姿勢について説明していきます。

4つの不良姿勢の分類

 人はそれぞれの生活があり、動作の癖などがあるため、教科書通りの理想的な姿勢をしている人はいません。基本的には、人の姿勢は、4つに分類され、その中のどれかに分類されます。下記が4つの姿勢の分類です。

  1. 腰椎前弯姿勢 
  2. 平背(フラットバック)
  3. スウェイバック
  4. 円背・頭部前方変位姿勢

 この4つのうちどれに患者が分類されるかをまずは、評価していきます。

では、まずは、理想的な姿勢、不良姿勢の特徴について説明していきます。

理想的な立位姿勢

  理想的な立位姿勢とは、下腿‐大腿‐骨盤が一直線上にあり、骨盤の傾きが中間位、生理的な脊柱のS字カーブがみられ、その上に頭部がみられる状態である。つまり、下から順番に骨が積み重なって、骨で立っている状態。この状態になると、立位を保持するのに最小限の力でよくなるため、効率が良い状態になります。

では、骨のランドマークを用いて、理想的な立位を見ていきましょう。

 

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乳様突起、肩峰、大転子、膝蓋骨後面、外果の前方が一直線になっています。また、第10肋骨、上前腸骨棘(以下:ASIS)が一直線上にあります。これらのランドマークが一直線上に並んでいる状態が理想的な立位姿勢です。

 

 では、不良姿勢の特徴も説明していきましょう。

①腰椎前弯姿勢

  腰椎前弯姿勢とは、いわゆる反り腰ですね。この姿勢をしている方は、女性が多いです。骨盤が前傾しており、腰椎が過剰に前弯している状態となっています。骨盤に対し、斜めに弱化筋と短縮筋がみられ交差している状態であり、下位交差性症候群とも言います。

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〈特徴〉

・女性が多い。

・骨盤が前傾しており、腰椎が過剰に前弯している。

・下位交差性症候群。

〈筋バランス〉

短縮筋:脊柱起立筋、腸腰筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋、縫工筋

弱化筋:腹筋群、殿筋群、ハムストリングス

②平背(フラットバック)

  平背(フラットバック)は、脊柱の生理的弯曲がなく、背骨がまっすぐに見える姿勢です。この姿勢をしている方は、男性が多いです。骨盤が後傾し、腰椎の前弯が減少するため脊柱がまっすぐな状態に見えます。大きな特徴としては、脊柱がまっすぐなため、脊柱の可動性が低下しており、背骨が動かない状態になっています。さらに、頭部前方変位を伴うことが多いです。

〈特徴〉

・男性が多い。

・骨盤が後傾、腰椎の前弯減少。

・脊柱の可動性が少ない。

・頭部前方変位を伴うことが多い。

 〈筋バランス〉

短縮筋:腹直筋、ハムストリングス、殿筋群

弱化筋:多裂筋、脊柱起立筋、腸腰筋、大腿直筋、大腿筋膜張筋

スウェイバック

  スウェイバック姿勢とは、骨盤が前方へ変位した姿勢です。この姿勢は、現代人に多くみられる姿勢であり、駅などでスマホを見ている人の姿勢は、この姿勢が多いですね。骨盤が前方へ変位しているため、ASISが第10肋骨よりも前方に位置しています。また、骨盤が前方へ変位することで、大腿骨の前傾が伴い、反張膝を併発しやすいです。骨盤は、後傾していることが多いですが、中間位、前傾位でもスウェイバックとなる方はいるため、その患者によって評価が必要です。骨盤が前方へ変位するため重心が前方へ移動してしまうため、代償として上部体幹を後方へ移動させ、バランスをとっています。そのため、円背・頭部前方変位を伴うことが多いです。この姿勢では、大腿直筋、大腿筋膜張筋などの2関節筋での姿勢保持が優位となるため、姿勢保持において股関節筋を使用しないため、股関節周囲筋の機能低下がみられます。

〈特徴〉

・第10肋骨よりASISが前方にある。

・骨盤が後傾の場合が多い(中間位、前傾位の場合もある)。

・反張膝を併発しやすい。

・円背・頭部前方変位を呈することが多い。

・股関節周囲筋の機能低下がみられる。

・大腿直筋、大腿筋膜張筋などの2関節筋によって姿勢を保っている。

 〈筋バランス〉

短縮筋:腹直筋、内腹斜筋、ハムストリングス

    後頭下筋、僧帽筋上部、大胸筋、小胸筋、斜角筋、胸鎖乳突筋

弱化筋:外腹斜筋、腸腰筋、殿筋群、多裂筋

    椎前筋群、僧帽筋中部、下部、菱形筋

④円背・頭部前方変位

 円背・頭部前方変位姿勢は、頭が前に出ており、胸椎が後弯している姿勢です。スマホやPCを見ているときこの状態になっている人は多いですね。この姿勢は、上記3つと組み合わさっていることが多く、特にスウェイバックとの関係性は大きいです。短縮筋と弱化筋は、頸椎に対して斜めに交差しており、上位交差性症候群とも言われます。

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〈特徴〉

・頭部が前方変位し、胸椎の後湾が起こる。

・上位交差性症候群

・腰椎前弯姿勢、フラットバック、スウェイバックと組み合わさっていることが多い。

 (特にスウェイバック

 〈筋バランス〉

短縮筋:後頭下筋群、僧帽筋上部、大胸筋、小胸筋、斜角筋、胸鎖乳突筋
弱化筋:椎前筋群、僧帽筋中部・下部、菱形筋

姿勢改善の評価・アプローチ方法

 まず、立位姿勢を評価する際は、理想的な立位姿勢で説明した骨のランドマークを見ていきましょう。下から順番にランドマークを見ていき、それぞれのランドマークがどんな位置関係であるかを見ていきましょう。位置関係がわかることで骨盤が前方へ変位しているなどの姿勢の特徴が見えてきます。

 その後、骨盤の傾きと脊柱の弯曲を評価していきます。下記に骨盤の傾きの詳しい見方を説明します。脊柱の弯曲は、仙骨から順番に脊椎を触診していき、生理的弯曲があるか、ないかを評価していきます。

 これらを評価することで、患者の姿勢の特徴がわかるので、4つの不良姿勢に分類されるのかを判断しましょう。

(骨盤の傾きの評価方法)

①ASISとPSISの位置関係で評価する方法。

ASISと上後腸骨棘(以下:PSIS)を触診する。ASISとPSISとの間の距離が約2横指が骨盤の中間位である。2横指以下の場合、骨盤は後傾位。2横指以上の場合、骨盤は前傾位となる。

 

②ASISと恥骨結合の位置関係で評価する方法。

ASISと恥骨結合を結ぶ直線が床に対して垂直になっている状態が骨盤の中間位である。

ASISが恥骨結合より前方にある場合、骨盤は前傾位。恥骨結合がASISより前方にある場合、骨盤は後傾位である。

 

 姿勢を評価するポイントをまとめると

・ランドマークの位置関係

・骨盤の傾き、脊柱の弯曲

・どの不良姿勢に分類されるか判断 です。

この方法で行うことで、その姿勢の特徴を理解することができ、短縮筋や弱化筋を予想することが可能となります。

 

 姿勢を改善するために、予測された短縮筋の柔軟性を向上させ、弱化筋を強化することが大切です。

 つまり、アプローチ方法としては、

・短縮筋の伸張

・弱化筋の強化 です。

この2つを徒手療法と運動療法を組み合わせて治療を行っていきます。

まとめ

 今回は、4つの不良姿勢についてまとめました。

立位姿勢を評価し、改善していく上でのポイントは、

・どの姿勢に分類されるか

・不良姿勢による筋バランスの特徴の理解

・短縮筋を伸張。弱化筋を強化。

この3つです。

 ただ、立位姿勢を見るのではなく、その姿勢の特徴を知ることでアプローチする部分がより明確になってくると思います。

 立位は、動作のスタートポジションでもあるので、正確な評価と改善が必要になってくると思いまいます。立位が変わると動作も変わることも多いので、ぜひ、参考にしてみてください。

 

最後まで読んできただき、ありがとうございました。

コメントなどお待ちしております。